A.キミと俺。
「.......っ」
しばらくして、俺はひどい頭の激痛で目が覚めた。
思わず両手で頭を抑える。
ここで気づいたことがひとつ。
『手に当たるさらっとした髪』
俺の髪、こんなに長かったかなー。
......ん?
なんか目がぼやけてるのは、気のせいだろうか。
気づくと視界が微かにだけど、少しだけぼやけている。
そんな中、俺はいるはずのない目の前で倒れている人物を見て口と目を同時に開けた。
は!?な、なんで------------
とりあえず深呼吸をして、俺は目の前にいる人の肩を揺さぶる。
言うまでもなく、目の前にいたのは俺。
目を固く閉じて、すう、と小さく寝息をたてて寝ている。
や、起きてもらわないと困る!
俺の中身が一体誰なのか、
俺は今、一体誰なのか、
よく考えればわかることなのに、さっきまで一緒にしゃべってた相手がいないことに、俺は気づかなかった。
「ぅ........ん..?」
固く閉じていた目が、少しずつ開いてゆく。
それと同時に、目の前にいる俺を見て硬直する。
明らかに同様を隠せてなくて、
----ドンッ
「っ!?」
気づくと俺は靴箱の出口のある扉まで吹っ飛んでいた。
立ち上がった瞬間、地面にぽたっと落ちるひとつの赤い滴。
地面を見て、俺は息を呑んだ。
よく見ると、明らかに俺とは違う。
本校の上の制服にスカート、黒い靴下、
よく見ると手足の色が白くて、絶対俺の身体じゃないことに気づいてしまう。
そういえば、さっきまで俺、誰かとしゃべってなかったか?
大嶋さん?......いや、その後に誰か---
「......柚木さん」
それと同時にびくっと身体がはねあがる目の前の人。
と、同時にそれを見ていた俺の考えは確信へと変わっていった。
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